ウドちゃんになった気がした
【追記あり:2010-07-28】
1ヶ月以上前にブログ用にタイプしたものの、あれやこれやでアップしそこねてた記事なんだけど、お蔵入りは勿体ないのと、内容的に今がいいタイミングなので(笑)今更だけど公開しちゃうのさ。(そういう記事がかなりあるんだよな、これが・笑)
---<ここから書いてストックしてたテキスト>---
名古屋のTV局、メ~テレ製作の番組「ウドちゃんの旅してゴメン」っていうのが結構好きで、現場が入ってない週末の朝は大抵見ている。
出来ればウドちゃんの代わりにあちこち旅してゴメンしたいと思ったりする。なにをゴメンするのかはさておき(笑)
この手の番組が好きなのだ。
いわゆる旅モノっていうより、ゆる~い感じでその辺をぶらぶら歩きながら、その土地の美味いものを食べ歩いたり歴史を探訪したり、そこで暮らす老若男女と触れ合ったり、っていう類いの番組が。
こういうのはNHKがうまい。
「鶴瓶の家族に乾杯」とか「街道てくてく旅」とか、平日昼の「生中継 ふるさと一番!」とか(ほとんど見れないけど、たま~に見るとおもしろい・笑)、あと秋からセカンドシーズンが始まるブラタモリも今から楽しみだ。
このエリアだと、あとは CBCの「そこが知りたい 特捜!板東リサーチ」と、東海テレビの「西川きよしのご縁です」も好きだ。あ、あと「ぐっさん家」ってのがまたおもしろい。
実家の浜松に帰った時にちらっと見る静岡ローカルのそれ系番組もそうだけど、こういう番組は作ってる人が本当にその土地に対する思いを持って作っているんだなあと思う。そして、やっぱ小旅行や散歩や人が好きな人が、ほんとに好きで作っているんだろうなって思う。
で、そのウドちゃんのやつは、土曜の朝のぼんやりムード漂う自宅のリビングで、濃いコーヒーを飲みながら、新聞に目を通しながらテレビにも目をやりつつ、時折、ああ、いい景色だなあとか、ああ、美味そうだな、食ってみたいなあとか、ウドちゃんっていい人だなあとか、町の人たちもいい人たちだなあ、と思いながらの30分間が心地よくて特に気に入っている。
東海テレビのスタイルプラスっていう番組の中のコーナーで、高井アナが名古屋の町をカメラを持って散歩する「はじめの一歩」っていうのも好きだ。
まさに写真散歩だもんね。
ご存知のように僕はカメラを持ってあちこちぶらつく趣味がある。
撮った写真をすべてどこかに公開するとか、訪れた場所や美味しい食べ物をすべてブログで公表して誰かに勧めたりするわけではない。
リアルに会う人には割と「この前、どこどこでこういうことがあった」などと話す事はあるが、ウェブ用のネタにするのは、せいぜいその3分の1くらいなものだ。いや、もっと少ないな。
飲食店に至っては、滅多に紹介記事を書くことはない。
それについては特に理由はなく、単に記事にする時間がないとか、あとは、せっかく見つけた場所をそう簡単に明かしたくないというケチくさい根性だったり(笑)
まぁいちばんはやっぱ面倒くさいからだ(笑2)
いや、1つ理由があることはある。
それはあとで書く。
さて、前置きだけで本題に入る前に終わっちゃいそうなので、そろそろこのエントリーのタイトルの話しをしようか。
まあ「そのまんま」だ(笑)
実は近頃、写真散歩をしていると、まるで自分がウドちゃんになったような気分になる場面が結構あって、土地の人から親切やサービスを受けたり、その場所にまつわる様々なエピソードや名物なんかを紹介してもらえたり、じいさんや子どもが勝手についてきたり(笑)そういうことがちょこちょこあるのだ。
これが実におもしろくて楽しい。
僕が熱心なブロガーであれば、嬉々としてアップしまくるであろうくらいにネタには事欠かない。が、生憎そこまで暇じゃない(笑)
それ以前にそういうことをなんでもかんでも公表するのは野暮だと思うから書かないでおくことの方が多いっていうのもある。それに、そういう出来事や体験は、その場にいないとおもしろくないことの方が多いし。
まぁ、一番の理由は、こんなブログでも最近は何故か1日のアクセス数が200を超えていたりして、たまにびっくりするくらいの数字が出てることがあるから、あまり具体的に書いて、万が一これを読んだ誰かが僕が受けたのと同じようなサービスを期待して、例えばその店や場所を訪ねてしまって、同じような施しを受けれなかったなんてことを店の人に文句言ったりしちゃうと、せっかく親切にしてくれた店に迷惑をかけてしまうことになるかもしれない。それだけは絶対いやだ。
さっき書きかけた“なんでもかんでも公表しない理由”の最たるものがこれだ。
けど、あまりに楽しいことが続くので、どうしてもこれだけはというネタを今日は1つ書いておきたい(笑)
そんなこんなで、話半分くらいにボリュームダウンして書くことにする。
えーと、話半分ってそういう意味か?ま、ある意味合ってるかもしれない?(爆)
先日、とある町へ電車で写真散歩にでかけた。
名古屋から普通電車で1時間かからないくらいの地方都市だ。
古い町並みや商店街を写真散歩して、そこにあった団子屋に1本70円のみたらしだんごを食べに寄った。
注文を受けてから焼く店なので、おばちゃんが焼いている間、駄菓子屋風だが駄菓子より自家製の漬物や梅干しなんかが陳列されている店の中に入ってその商品棚を見ていたら、手作りジャムの瓶の隙間に件のウドちゃんの番組の毎回の〆でウドちゃんが描くクレヨン絵と詩が印刷されたポストカードが飾られていて、壁には番組が店を訪れた証明のステッカーが貼ってあった。
あ、ウドちゃん来たんだ。とボソっと言ったら、それを聞いたおばちゃんが焼け上がって香ばしい匂いを漂わすだんごをタレに浸して皿に乗せながら、そうなのよ~、ねえ、お客さん、ウドちゃんに会ったら、今度はちゃんと来る前にちゃんと来るよって言ってから来てねって言っておいてくださる?と。
あ、いや、会わないよ、ウドちゃんとは(笑)とか言いながら、椅子に腰掛けて焼けた団子を頬張ると熱いお茶を入れてくれた。どちらも絶品だった。
そしてウドちゃんの番組が来た時の話しを楽しく聞かせてもらった。
おばちゃんはなんだかんだ言いながらも嬉しそうに話してくれた。
あなたたち(連れがいた)も今日は取材か何かなの?お仕事?
いやいや、ただの写真と散歩が好きなだけの素人ですよ。
へぇ、なんか取材の人かと思った。
最近は写真散歩の時はいつも一眼レフのカメラを手に持って歩いてる。
一眼って言っても、僕のは入門機でレンズも標準のものだ。
まぁ、今時はみんな写真を撮るけど、その大半は携帯電話かコンデジだから、見るからにカメラという形のものを持って、あれこれ撮り歩いていれば、一般より少しは写真をやってる人と、そう思われるのかもしれない。
ただ最近は男性も女性も、特に中高年の写真愛好者がデジタル一眼レフのカメラを持って観光地だけではなく市街地にもけっこういる。
僕がそういう人たちと違って捉えられるのは、想像だけど、写真を撮る為に写真を撮っている人と、ぶらり旅や散歩で感じたものを画像として残す為に写真を撮っているのの違いだと思う。
写真は撮るけど(しかもすごい枚数・笑)、人と話したり食べたり、ギャラリーとかがあれば寄ってみたりもすることの方が主なのだ。
だから向こうから話しかけてもくれるし、そういう流れの中で、取材?とかカメラのお仕事?と聞かれ、否定しても、そんなことはどうでもよくなってサービスしてくれたりするのだろう。
現に去年の暮れの市場での蟹の値引きの時もそうだったし、ちょっと前の勝川駅前の紙芝居をやってくれるたこ焼き屋のおじさんの時もそうだったしね(笑)
ただ、強調しておきたいのは、僕はそうやってカメラマン?とかって言われた時は、必ずそうじゃないと言う。だって実際ちがうんだし。
飲食店やカフェで必ず食う前に写真を撮って、味から接客から内装から事細かに全部ブログに書くなんてこともしてないし(笑)
僕らは取材とかじゃないですから安心して下さい(笑)
団子屋のテーブルの上にはグリーンピースごはんのおにぎりや、きゃらぶきの佃煮や高菜の漬物なんかもあって、ちょうど昼時に差し掛かった頃だったので、ほんとはどこかでランチをと思っていたけど、まあ、小さなおにぎりだし、なんだかとっても美味そうだし、せっかくだから1つ食べていこうかなと思ったと同時くらいに、おばちゃんが目の前のおにぎり2つ調理場に持って行って温めてあげると言った。
まだ食べると決めたわけじゃなかったけど、僕らはおばちゃんの自由さを楽しむことにした。
私も味見したいし、一緒に食べていい?とか言って、自分用のと、更にもう1つ温め、どこかに電話をかけて友だちを呼び出した。
あ、私、いまからお昼食べるんだけど、あなた来ない?みたいな感じで。
その友だちのおばちゃんがすぐに店に来て、僕らは期せずして4人で昼飯を食うことになって、そしたら奥にいた大きな猫もやってきて、ほんの少し前はとても静かで穏やかだった店の中が一気に賑やかになった。
ほら、旅番組で立ち寄った家の近所の人が集まってきて宴会が始まっちゃうみたいな、あんな感じ(笑)
レンジでチンされて湯気を立てたおにぎりが運ばれてきた。
僕はグリーンピースの炊き込みごはんがあまり好きではない。青臭さがちょっと苦手なのだ。
でも、それは今まで僕が食べてきたものとはまったく別の食べ物だった。
よい青臭さだった。新鮮な野菜の匂いっていうの?
聞けば朝摘んだグリーンピースを使って炊いたそうで、とてもうまかった。
おばちゃんはテーブルの上にあったきゃらぶきの佃煮をおにぎりのパックの蓋に少しずつ乗せてくれて、自分と呼び出されたおばちゃんの分も取り分けた。
僕の前には 350円と書かれた黄色い紙が貼ってある鮎の甘露煮が3尾入ったパックがあった。
これは僕らのために用意されていたのだと思い(笑)温めてもらって食べた。
旬よりは少し早く型も小さかったが、さすが天然の鮎はうまかった。頭から尻尾まで全部食えた。
ただみたらしを1本食べに寄った団子屋で、こんなに美味しい昼飯にありつけるとはまったく思ってもみなかった。
更におばちゃんはペーパーフィルターを使って目の前でいれてくれた熱いコーヒーにクリームサンドクッキーを添えて出してくれた。言うまでもなくうまかった。
こんな感じで地元の人とのふれあいと味を存分に楽しませてもらって、さて勘定をたのむと490円だと言う。
何も考えずに、はいはい〜と、490円×2人分を払おうとしたら、二人分だと言う。
え?何がどうなって490円なの?
最初に食べた団子が1本70円×2本と、鮎の甘露煮の350円を足して490円。
安っ! って、えーー?おにぎりとコーヒーと佃煮とクッキーは?
いいのいいの。
いやいやいや、いいのいいのって、おばちゃん(笑)
いいのいいの、楽しかったしおいしいおいしいって食べてくれたから(笑)
いやぁ、ほんとすみません、ごちそうさまでした。ありがとうー!
いいからいいから。
その代わりに、ウドちゃんに会ったら言っておいてね。
来るときはいきなり来ないでねって。
あ、だから僕らはそういうんじゃなくて、、、
はい、わかりました、会ったら伝えます(笑)
と、つまりはそういうことだったのだ。
さっきも書いたけど、カメラマンだとか取材だとかに勘違いされた時は必ずちゃんと否定する。実際ちがうんだから当然だ(笑)
だから、その(ちょっとうれしい)勘違いに乗じて施しを受けたり、ましてやその人たちを騙すなんてことは誓ってしない。
ただ、向こうが楽しんでくれて喜んでくれるのなら、その好意や善意に甘えてもいいかなと最近は思い、それもひっくるめてのぶらり旅だったり写真散歩だったりするんだと、時には僕がウドちゃんになって人との自然なふれあいを楽しんでいいんだと、そんな今日この頃なのである(笑)
実はウドちゃんとは数回仕事で一緒になったことがある。
芸人の素を明かすのは失礼なので書かないけど、僕はテレビの中のウドちゃんも素のウドちゃんもとても好きだ。
---<ここまで書いてあった/ここから書き足し>---
あの日、市役所近くの商店街から(わざと)迷い込んだ裏路地のスナック街の隙間から見上げた空が、現在開催中の僕の写真展のフライヤーになった。
猛暑日が続く今年の夏は、冷夏やジメジメが続く湿った夏よりは個人的にはいいと思うんだけど、風物詩や季節感的にはね。
農作物や熱射病などで深刻な問題になってるから、いいことばかりじゃないのも確かにあるんだけど。
ステキな団子屋のある この“とある町”というのが、毎年埼玉の熊谷市と日本一暑い町を競い合ってそれぞれ観光的にアピールしていて、それを夏祭りのキャッチコピーにも利用していて、最高気温が熊谷市に抜かれると「くそー!」と悔しがる人もいる陶器でも有名な岐阜県の多治見市だ(笑)
そんな多治見の「みんなでてりゃあ夏まつり」のイベントがこの週末から始まっていて、来週の日曜にはクライマックスとなる花火大会や神輿、ダンスバトルなどが賑やかに開催される。
まさに「日本一暑い町の日本一熱い夏まつり」。--> ござっせブログ / たじみ夏まつり実行委員会
確かに暑いし、それに出掛けるにはそれなりの勇気と覚悟が必要だけど、僕は多治見の町もこの祭りもとても好きだから、興味のある人には(自己責任で・爆)お勧めしている。いや、猛暑日を除けば観光に散歩にアウトドアにゴルフにと、歴史もあるし、とてもおもしろい町ですから(笑)
で、その市民踊りイベントのフィナーレの音楽と振り付けをプロデュースしたのが僕だということも末筆に付け加えておこう(笑)
【追記:2010-07-28】
友だちの猫娘が先月のアタマに来日したので会って飲んだ。
その時に、この話しを聞かせたら俄然興味を持って、友だちを誘ってさっそく出掛けたそうで、彼女が行った日には、朴葉寿司が食えたらしい。
これは彼女が撮ってきてサンフランシスコに帰国したあとで送ってくれた写真。
これを見て、なんだか悔しいと思う僕は自分でも卑しいと思う(笑) またいこ!
by thin-p | 2010-07-25 12:25 | 写真散歩