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煽動 - Instigation -

近頃、「煽動 -Instigation-」について、あれこれ考えている。

せん‐どう【扇動・煽動】

〘名〙スル気持ちをあおり、ある行動を起こすようにしむけること。アジテーション。
   「大衆を—する」

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現在起きている、継続している、起きようとしている、様々な問題、事件、事故、犯罪、危機、などに対する答えを呈示する事はできないけれど、ひとつひとつについて熟考したり調べたり学んだり、いろいろな立場の多くの人たちの意見を聞いたり、そして自分で判断し、意志を明確にしたり、それを示したりということが、この世の中を行きていくためには絶対に必要だと、近頃あらためてそう思うのだが、それを画一化しようとするかに見える集団行動(ごっこ)だとか、それを煽動する勢いに任せた決して本心ではないであろう怒り(のフリ)だとか、そういうのが目について仕方ない。
鼻につくこともある。

逆に、1枚の写真を、ひょっとしたら真逆の解釈でシェアしたり、酷い状況を感動に摺り替えてしまったり、というのを見かけるたびにどうしようもないな、と思う事もあり、官邸前のデモの写真と海外の出来事を比べたり、近けりゃ行って一緒に抗議してたとか言ってるやつを見るとムナクソ悪くなる。

あの抗議行動は全国各地で同時多発化していたのだから、どこだって参加する気があれば行けただろうに、と思う。

僕は参加しなかった。
いや、参加する気がなかった。

怒りを、意志を表さなきゃ何も変えられないという意見もわかる。
本気で怒っている人もたくさんいただろう。
酷い目に遭わされている人も現実にたくさんいることも知っている。

震災と原発事故と普天間とか消費税とか、あれもこれもぐちゃぐちゃにしてわけのわからない状態にしているのは政府とマスコミだけではなく、煽動者や被扇動者や、勝手な正義の名の下にルールを無視して非常識な行動をしている連中のせいでもあるのだと思ってる。

自分はこれが正しいと思うから君もそう思うべきだ。
あなた方は何も知らないだろうけど、実際はこんなことが起きているのだ。
この世の中では誰も信じちゃいけないんだ。
真実を暴き、すべてを白日の下に晒すために命をかけている人を無条件に支持すべきだ。
正義を貫くためには目の前のわかりやすい悪を叩かなくてはならない。その悪の何がどう悪なのかとか、そんな細かいことなんかわからなくても、とにかく叩け!

という煽動に違和感と不快感を覚えつつ、しかし、多くの問題が現実に発生し、後戻り出来ない状況になっているのも事実で、だからみんな混乱し、その混乱を本能で避けようとするから大勢につき、不安と不満と怒りを発散させ自己満足しているのだ。

何をしたらいいかわからなかったり、ほんとは行動したいけど出来ない人たちが、みんなが行くならオレもワタシも行って、それで自分を納得させているのだ。

いまもどこかで抗議デモや抗議行動は続いているのかな?
あのあとどうなったのか、参加した人たちや警官隊や機動隊、動かした方、地元、政府と自治体は、その後どうしているのかな?

あのデモに賛成するつもりは無いが、あの1日だけの出来事だったのかな?

みんな家に帰ったんだろうな。
そしてまた日常に戻って行ったんだろうな。
オレは、ワタシは、あの日、あの場所でやれるだけのことはやった、っていう、いつかのための「言い訳」も出来た事だしね。

煽動 - Instigation - について、このところ思うところがあって、あれこれ考えている。

by thin-p | 2012-07-05 02:17 | 雑記帳