プラモデルとジオラマ|浜松ジオラマファクトリー
木曜の出張の際は時間がなくて寄れなかった浜松ジオラマファクトリーに、土日もまた所用で浜松へいけたから、ここぞとばかりに土曜の夕方に行き、ほぼ同時に入館した1組の熟年夫婦が通り一遍見てそれなりに感心してすぐに出て行ったあとの閉館までの1時間を、ほぼ貸し切り状態で思いっきり堪能させてもらった。
今年3月のオープンをFacebookで知り、4月に初訪問。その時のブログ記事 → プラモデル
それを読んでもらえば僕のプラモ趣味と歴史、そしてこの施設に対する思いを感じてもらえると思うので、御用とお急ぎでない方は、ぜひクリックして読んでみていただきたいが、特に興味がない方は、このエントリーだけでもいいよ(笑)
4月に行って、また行ったの?と言われれば、「う、うん...」、と答えるしかないのだが、先週末から特別展が始まっていたのだ。
特別展「風景の作家たち」(7/8〜9/1)
昭和の風景・情景の構成から、怪獣、アニメ、ミリタリー、映画シーンなどを得意とする情景作家・プロモデラーの山田卓治氏の作品を常設し、会場内には氏のアトリエもあって、タイミングが合えばその実際の作業の様子をずっと眺めていられたりもして、更にプラモデルやジオラマ用の各種ツールなどの物販コーナーもあるという、僕にとっては夢の場所なのだが、そこに、山元日出男氏と奥川泰弘氏の二人のプロモデラーの作品コーナーを設け、三者三様のジオラマを楽しめるのだ。
*山元日出男[chunnapp]
*奥川泰弘 [Doozy]
山本氏の作品は水、動、ストラクチャの3要素を基本に、身の回りにある景観やイベント的なものをユニークな視点とユーモアでジオラマ再現している。
奥川氏は、古き良き時代のアメリカンカルチャー的、イラストチックな、ツヤ消しな作風がポップでアンティークな味わい。
この展示では、常設の山田作品とはまったく違うアプローチの2タイプのジオラマが多数出展されていて、3つの世界観をあれこれ比較したりしながら楽しめる。いや、比較とかしなくたって、ただ純粋に楽しめる。そう、比較なんかしなくたっていい(笑)
と、いうことで(浜松ジオラマファクトリーでは、一部の作品が写真撮影とfacebookやブログなどでシェアしてもOKなので)iPhoneで撮った写真を何点か貼っていこう。
山本日出男氏の作品
自分がフィギュアのサイズになってその空間に入り込み、涼を感じているかのよう。
香港の街で写真散歩も楽しめた。ふらふらしてる男の股間が楽しい(笑)
ちょと角度を変えてみる。
奥川泰弘氏の作品
VANジャケットやPOPEYEに郷愁を感じる世代なら納得のアメリカンな感じ
映画のセットのような楽しいジオラマ
サーファーがなんとなく坂口憲二に似てたりして
表はアメリカンだけど、裏はあの頃の日本って感じで、これまた楽しい
二人の作品はまだまだあるんだけど、それはぜひ会場でお楽しみください。
じゃ、山田さんの作品も。
4月に行った時にちょうどアトリエで作ってた作品が完成していた。
ジブリ映画「天空の城ラピュタ」のシーンだった。それもぜひ会場で見ていただくとして、今回は撮影が許可されていたこのシーンを紹介しよう。もーね、(涙)ちょちょぎれものだったよ!(笑)
まずはウルトラマン
そして、これだ!
ウルトラセブン第14/15話「ウルトラ警備隊西へ」(1968年正月放送)の1シーン。
ペダン星人のロボット(後にソフビ人形発売に際して、脚本担当の金城哲夫の(父)のエピソードを元にキングジョーと名付けられた)に神戸六甲山防衛センター(架空)でボッコボコにされるウルトラセブンの図。
素晴らしい。
今回は割愛するが、ミリタリー、ガンダム、エヴァンゲリオン、昭和の懐かしシーンの数々、浜松まつり、宇宙飛行士、など、様々なジオラマが展示されているこの浜松ジオラマファクトリーに、ぜひ足を運び、この小さな世界を楽しんでもらえたらと思うのと同時に、4月の時にも書いたけど、9月までの限定でスタートしたこの施設を常設にするためのささやかな支援の意図もある。
会場ではコンサートやトークイベント、ワークショップなどの企画もいろいろ用意されているようだし、facebook、ツイッター、ブログなどでもユニークな情報発信をしているので、ジオラマやプラモデルに興味のない人も、この記事をきっかけに立ち寄ってもらえたらと、僭越ではありますが、私のご挨拶に代えさせていただきます。
空中で「シェー!」をしてるのは、浜松ジオラマファクトリーのマスコットキャラクターで時々ブログにも登場する江崎まなぶクン。
*浜松ジオラマファクトリー
*アテンダントダイアリー(ブログ)
*facebookページ
*公式twitter
最後に蛇足だが、このエントリーのタイトルについて。
ジオラマとプラモデルは別物だ。
プラモデルを使ったジオラマもあるし、ジオラマを構成するためにプラモデルを活用することもあるし、僕はその線引きや区別をするつもりはまったくないけれど、でも「プラモデル」はジオラマにしなくても、どんなサイズであろうが、その製品としてのクオリティがどうであれ、塗装が施してあろうがなかろうが、デカールがずれてたり貼る時に破れちゃってへんなふうになっちゃったとしても、アンテナや車輪が折れちゃってても、タイヤがえごえごしちゃってても、頭の中に広がったジオラマのシーンの中で飛んだり走ったり潜ったり戦ったりしているのがプラモデルの究極の楽しみ方だと、僕はずっと思ってる。
それを形にしたのがジオラマ模型なのだ。と僕は思ってる。
昔、会社でプラモデルコンテストを開催した。
それがいつしかジオラマコンテストになり、ド初心者から筋金入りのモデラーまで、男女合わせて10数人のスタッフが参加した。(という話しをリアルでもこのブログでも何度か話題にしてるね)
テーマは設けず、だけど、タミヤの1/35ミリタリーシリーズのキューベルワーゲンを使わなくてはいけないというレギュレーションだった。
これが実におもしろかった。
あの頃、iPhoneがあったら(ま、iPhoneじゃなくても撮影ができるものならなんでもいいけど)、みんなバカみたいに撮りまくってありとあらゆる手段でそれらをシェアしていただろうけど、残念ながらその大会と作品を記録した写真を僕は1枚も持っていない。(誰か持ってったらちょうーだい!)
僕が作ったのは、STAR WARSのX-Wingの色をしたキューベルワーゲンのボンネットのタイヤのところにR2-D2が埋まってて、ルーク・スカイウォーカーがハンドルを握り、運転席の外に立ったC3-POがルークと何か相談しているという、タトゥイーンでの(空想)シーンだった。
あの写真、どっかにないかなー。傑作だったんだけどな。
by thin-p | 2012-07-16 12:49 | Fav