土曜日に小雨が振り雲間から西陽が差す百貨店の屋上で
ヘリコプターで見物しようとしたが
大人はだめだと断られ
時間だからと伝説の黄金のカンガルー親子のケージにも鍵がかけられちゃったので
空に伸びゆく弦を仰ぎ
街の真ん中で小さく実ったゴーヤが無性に愛おしく。
そんな世俗には目もくれずに金色に輝く人相の悪い鯱に耳打ちし続ける少年は
すっぱだかで厭らしい腰つき
ストップモーションの戦闘機がちょっとカッコ良く
7年振りに動いたと巷で話題の観覧車はただ回るだけ。
かつてここには誰も知らない秘密がたくさんあった。
更にこの上にある最上階の屋上にはもっともっとすごい秘密がたくさんあった。
真夏にたくさんの家族をここに集めたのは1998年の夏が最後だった。
土曜日は実に14年振り、だった。
by thin-p | 2012-09-04 00:01 | 写真散歩