今日は映画を

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今年はいつになく忙しく、更に夏前からいろんな仕事と所用がず〜っと重なり合いながら連続していたのが、ようやく日曜日で一段落しまして、昨日は残務処理もばっちりできたし、この先クリスマス〜年末〜新年と忙しさはそれなりに続いて行くんだけど、でも、気持ち的にかなり楽になりまして、これぞまさしく「解き放つ」と書いて解放?みたいな(笑)

ま、そんなわけで、夕べはほんとうに心底爆睡したのでしょう、今朝の目覚めのスッキリ加減と言ったら、あーた、すっかり忘れてましたよあたしゃ、って感じでして、だから今日は朝から映画に行っちゃおうと(ん?・笑)
いいぢゃん、1日くらい、ねぇ?(笑2)



once ダブリンの街角で(日本語) / Once the Movie(オリジナルサイト・英語)

うん、とてもいい映画だったよ。

実はね、この映画を知ったのは昨夜なんだよ。
どれを見ようかなって映画サイト見て選んでる時に、アイルランド・ダブリン・ストリートミュージシャンっていうキーワードに反応しただけで、他には何の情報も持ってなかった、つまりまったくのノーマーク作品だったんだよね。

でも、ウェブサイトを見て、そのキーワードだけじゃなく、なんとなくビンゴな予感がしたんだよ。

そしたら、やっぱ、とてもいい映画だった(笑)

空が青く高く、空気が澄んで気持ちのよい朝、1回目の上映に間に合うように劇場へ行って窓口で「大人1枚」と言ったら、受付の女性がこう言った。

「『ソング割り』というものをやっていまして、お気に入りの歌を1フレーズだけでも歌っていただければ 1,100円でご覧いただけますよ」

僕はおもしろいなあと思って「あはは」と笑い、ちょっと考えてから思い浮かんだ歌を口ずさんだ。

受付の女性が「わーっ!」と言って手を叩いてくれた。

「『夜空ノムコウ』ですね!ありがとうございます!」

彼女がスガシカオか SMAP のどっちかのファンなのか、それとも、単にこの歌が好きなのかはわからないけど、でも喜んでくれたから、僕もちょっと嬉しかった。700円も安く観れたし(笑)

夜、映画館のサイトをもう1回みたら、確かにこう書いてあった。

  →[備考]窓口でお好きな歌をワンフレーズ歌うと一般・大学・高校¥1100 (笑)

さて、じゃぁ映画の感想はいつものことだけど、文字通り、僕が感じて想った事を書きます。

友だちって、出会った時になんとなくの予感ってあるよね。

それは、「こいつとはいい友達になれそうだ」とか、そこまではっきりしたものじゃなく、ほんの一瞬の直感的なもので、特に、最初は嫌いだった相手でも、後に友だちになったりする場合って、思い返してみるとやっぱなんか予感っていうか、運命みたいなものがあったかなと。

男女の場合は、恋愛対象とか性的対象になる場合と、友だち以上に発展しない場合と、恋愛感情と友情の狭間で辛うじて理性のバランスを保っている(だから時に苦しくなったりするんだけど・笑)場合っていう3パターンと、それ以外のなんでもない関係ってのがあって、その相手とこの先どういう関係になっていくのかっていう予感があるんだよね。
これも「友達」、「それ以上」、「それ以下」、「無関心」っていう具体的な選別じゃなくて、後で思うと、なんとなくそんな予感がしていたんだよな~みたいな。
そして、その予感はほぼ正しい。

そう、で、男女間の友情って2通りあるよね。
男友達とはちょっと違うとは言え、でも友だちとしてずっと変わらず付き合って行ける相手と、自分の心が微妙に揺れることがある相手。その両方に当てはまる場合もあるから3通りかな。

この映画に登場する2人もそんな感じなんだ。
人間的にも感性的にもこれ以上ないってくらいのソウルメイトなんだけど、人生を共有するのは別の人なんだ。

多分、お互いに出会ってなかったとしても、それぞれの人生が大きく変化することはなかったかもしれないけど、出会えたお陰でそれぞれの心がちょっぴり揺れたから自分自身の中でちょっとした変化が起こったり、今まで味わう事のなかった新鮮な感動や素直な感謝や押さえ込んでいた感情が動き出したりして、それもぜんぶひっくるめて自分から相手への、そして相手から自分への真の友情を感じるわけだ。

実にさわやかな映画だった。

インディペンデント作品らしいところや、ドキュメント作品的なところも変に狙った感じじゃなくて、登場人物たちの心の動きや感情がさりげなく現れててよかった。
ストリートミュージシャンが仲間を見つけて曲を仕上げていったり共作したりして、それをレコーディングして新しい仲間や理解者や協力者が現れて、そして作品が形(CD)になっていく様子が実に生き生きと描かれているなあと思ったら、この作品の監督、ジョン・カーニーは、主演のグレン・ハンサードが作ったアイリッシュ・ロックバンド “ザ・フレイムス” にベースギターで参加していたらしい。どうりでリアルなわけだ(笑)

夜通しレコーディングと編集をして、朝陽と共に音源が完成するシーンは実によかったし、それを自分の父親に聴かせるシーンもとてもよかった。
実に清々しかった。

“彼”といっしょに音楽を創ることになる“彼女”を演じるマルケタ・イルグロヴァもとてもよかった。とてもチャーミングな女性だった。
歌声とピアノが、す〜っと胸に入り込んで来る、彼女も実に清々しい存在だった。

彼女はチェコ共和国プラハ在住のシンガーソングライターだそうだ。
女優じゃないところがチェコからダブリンに来た“ちょっと訳あり”の女性っていう、どことなくぎこちない様にうまくハマってた。キャスティングの妙(笑)

それからそれから、これダブリンの街中と、そこで歌い演奏するストリートミュージシャンがテーマだから、もちろんフィルの銅像と“シン・リジィ”っていう言葉がハッキリ出て来るんだ。フィルとリジィのファンはそれだけを目当てに見てもいいかも?(笑)

と、爽やかな朝(しかも平日・笑)に爽やかな映画に感動し、爽やかな気分で東ティモール産のフェアトレードコーヒーをロビーで飲みながら心に残ったシーンを味わっていたら、こんな贅沢な時間を過ごしている僕は幸せだなあと思った。

コーヒーを飲み干して映画のサントラを買っていたら、3人組の若い女性がチケット売り場にやってきた。

さっき僕に拍手してくれた受付の女性スタッフがその女性たちに「ソング割り」の説明をしていた。
彼女は適度に明るく爽やかに、3人一緒でもいいからとか、ほんの短いフレーズでも小さな声でもいいからと女性たちが恥ずかしがったりしないで気軽に口ずさむ雰囲気を演出することに気を配っているのがとてもよくわかった。
(これは一瞬のことだから、僕はそばで聞き耳を立てていた訳じゃないよ)

けど、その3人組は呆気無く「別に、いいよね?」「うん、、」みたいな、照れながらぼそぼそ言うだけだった。

あ〜あ、せっかくのチャンスだったのに。

彼女たちがこの映画を楽しめたかどうかを僕は知らないし知らなくてもいい。

でも、僕はこの映画のよさに加えて、入れたての美味いコーヒーと、ゆっくりした時間、そして、チケット売り場の女性の拍手と笑顔をもらった。あ、あと割引分の700円も(笑)

チャンスというのは、何も 「700円の得」だけを指すんじゃない。
ちょっと大袈裟に言えば、人生のチャンスなのだ。

once...

一度きり。ささいな、ちっぽけな、ほんのちょっとの。
そういうことほど、一度きりなんだって、あってもなくても、その時はそれほど重要なことじゃない、ささやかな出来事ほど一瞬であり、それこそが“一期一会”なんだって、この歳になってそういうことを思うようになったのです。

と、なんか大それた結論で締めようとしてますが、いいですかね?(笑)

映画を観ている間に6件の着信が携帯にあって、そのどれもが仕事の用件だったから、午後からそれらを片付けた。
こういう日って、そういうのもスムーズに進んじゃうんだよね。

だから日の暮れる頃にはほとんど片付いちゃって、実は今夜ひっさびさにポッドキャストも配信しようと、録音〜編集〜テキストとアートワークも準備完了!で、いざアップロードだ!って時にココログが明日の朝までメンテだそうで(泣)そんなもんだわな(笑)ってことで、お陰でこうして映画のことを書く事ができましたとさ。

あ、最後に、このサントラ、すげいよい!!
劇場でもDVDでも、この映画見たら「ぜひ!」です。
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by thin-p | 2007-11-14 00:31 | 映画 | Comments(4)

Commented by nemchan at 2007-11-18 02:16
「予感」
ですか〜 ああ、そういうのってありますよね。
ワタシはかなり鈍感な方かもしれないんですが(笑)、後で思い返してみるとっていうのは、よくわかります。
心も、長〜い間、揺れないでいると、なんか、動きが止まっちゃうような気がするんですよね。だから、出会えてよかったですね、あの二人。
ワタシも、あの朝のシーンと、お父さんに聞かせるシーンは大好きです! 絵に描いたようなガンコじじいって感じのお父さんでしたが(笑)、あのシーンのお父さんはほんとに素敵でした。
いやぁ、素晴らしい感想文をありがとうございました!・・って、エラソーにすいません;(笑)
『夜空ノムコウ』、いいっすね〜! やっぱワタシも何か歌ってみたかったかも??(笑) なんかこう、照れくさいけど、歌ったおかげで、「ぽっ」と気持ちがぬくもったところで映画を見始めると、またさらに味わい深くなるかもしれない。 ほんと、3人もいたんなら、思いきって一緒に歌ってみればよかったのに〜、そのお姉さん方(笑)。
再開したての弊ブログに、早速のトラックバック、ありがとうございました〜♪
とゆワケでトラックバック返しの術〜♪(笑)
Commented by nemchan at 2007-11-18 02:16
追伸:上の写真、すっごくいいですね〜!(Flickrの、あの写真ですよね?) このスキンも、ぴったりのコーディネート! 素敵!
Commented by thin-p at 2007-11-19 00:30
>ねむちん@おかえりなす(笑)  

この映画、ほんと偶然見れた1本なんだよね。
もしこの数日間に映画を見に行ける状況じゃなきゃ、きっと存在をしることもなかったかもしれない。
まさに『once』な出会いでした(笑)

今もサントラ聞きながらキーボートを叩いているんだけど、あの楽器屋で二人が奏でるあの歌の歌詞を読み返して、あらためて聞くと、あの二人のことや物語に込められたいろんなことが見えてくるんだよ。

“Taking this sinking boat and point it home”

このフレーズが、あれから僕の中で日々どんどん膨らんでいます。

でね、君の感想を読ませてもらって、この歌詞を繰り返し読んだら、ものすごく腑に落ちたんだよ。だからこちらこそ(TBも)ありがとう。
それをまた、そちらへコメントしに行きます(笑)

> 歌

この歳になって、カラオケ以外で1人の相手に向かって、しかもパブリックスペースで歌うなんてことないぢゃん?(笑)
だから非日常・非現実の、まさに君の言うところの“夢”に入れちゃう気がしたよ(笑2)
Commented by thin-p at 2007-11-19 00:32
>ねむちん@追伸    

> (Flickrの、あの写真ですよね?)

です(もう1ヶ月も前の夕焼けだけど僕も気に入ってます・笑)

気に入ってくれて嬉しいです。どうもありがとう。