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股旅 2008 その3 『雨の月島、路地裏もんじゃ』編

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前回までのおはなし
股旅 2008 その1『横浜散歩+ローカル線の旅』編
股旅 2008 その2 『水上バスに乗って下町へ』編

ほんのわずかな時間だったけど、久々の再会を喜び合った旧知の方と別れ、蔵前から大江戸線で月島へ向かった。時間にして約10分。あっと言う間に到着。

NHKの朝の連続テレビ小説「瞳」のおかげもあるのだろう、電車を降りて地上へ向かう人たちの大半から「もんじゃ」という言葉を発している。
みんな目的は同じらしい。

話しがいきなり逸れるけど、僕は昔からNHKの朝ドラは結構見ている。
朝っぱらから号泣しちゃうほどの名作、名演技、名演出、名シーンがあるけど、ここ数年の間に放送された作品の中では、特に「私のあおぞら」「ちゅらさん」「芋たこなんきん」、そして昨年後半の「ちりとてちん」はかなりハマった。落語好きの焼鯖好きで人情話好きにはたまらんドラマだった。

反面、どうしようもないダメ作品も多々あって、今週で最終回の「瞳」なんか、よくもまあ半年もやれたなあと、民放ならとっくに打ち切りだろうってほどに酷かった。(これは僕の感想なので、あれを好きで見てた人がいたら失敬)

だけど、そんなダメ作品でも、物語の舞台となった月島と、その名物もんじゃにたくさんの興味関心を集めさせちゃうところにテレビのすごさって言うか、やっぱ NHKの朝ドラと大河ドラマってのはすごいなあと、変なところに感心していた(笑)

余談ついでに、昨年前半の「どんど晴れ」は大して面白くなかったんだけど、後半の「ちりとてちん」と共に、僕は一生忘れないだろう。
と、その話しは長くなるから、いつかまた折りをみて書きます(笑)





さて、雨の月島。
勝手に持っていた先入観では、もうちょっと昭和レトロな雰囲気の町かなと思っていたんだけど、第一印象は普通の商店街な感じ。だけど、そのほとんどがもんじゃ屋っていう、ある意味すごい町だよね(笑)
まずは商店街の入り口にある月島もんじゃ振興会協同組合のインフォメーションセンターでマップをもらってとりあえず商店街の端まで行ってみた。
おそらく雑誌やテレビなんかで紹介されたからであろう人気店はどこも満席で、こぎれいでもまったく客のいない店との格差がすごい。

実は来る前に、どの店で食うかを下調べして目星をつけていたから、とりあえずその店の場所だけ確認してからぶらぶら写真散歩してみた。

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クリーニング屋がナイスな月島土産Tシャツをたくさん売ってた。小粋な(笑)Tシャツのデザインもさることながら、小ネタ満載の店先がステキだった(笑2)

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そうそう、僕が思い描いていた月島のイメージってのはこの感じ(笑)


じゃあ、月島もんじゃを食いますか。

股旅 2008 その3 『雨の月島、路地裏もんじゃ』編_c0030705_23452018.jpg路地裏もんじゃ もん吉

いい感じに黄ばんだ店(笑)で、元気な若いスタッフがたくさんいて、常に満席で活気がある。うん、ビンゴ(笑)

壁いっぱいにメニューが書かれていて、ものすげー種類があるから、ここは迷わず、もん吉の人気No.1って書いてあった「もん吉スペシャル」にしてみた。
オーダーする時に兄ちゃんに、「これ、一番の自信メニューだからお客さんにも一番人気なんだよね?」って確かめたら、「そうっすねえ!」って言ってたし(笑)

待つことなく「もん吉スペシャル」の素をお姉ちゃんが運んできて「焼きましょうか?」って。
満席の店内では自分で焼いている人もいるし、店員に任せている人もいる。
僕は、やっぱせっかくだから店員にやってもらうことにした。

「失礼しま〜す♪」って、お姉ちゃんが実に威勢よく、一気に手際よく仕上げてくれた。

もんじゃは初めてじゃないけど、てか、家でも時々やるし、外でもたまに食うんだけど、今まで食べてきたもんじゃの作り方は全部違ってたんだってくらいに、彼らの焼き方は威勢がよく、実に手際がよくてかっこいい。

両手に持ったヘラで鉄板の上のキャベツと具材をカンカンカン!と激しく音を立てながら細かく刻むのに驚いた。これを体験した後で外を歩いたら、確かにあちこちの店から、カンカンカンカン!っていう音が聞こえてきたもんね。
この技のおかげで口に入れたときの食感と、具材同士の混ざり具合がすごくいい感じなんだよね。いやあ、調理パフォーマンスを目と耳で楽しみ、立ちこめる湯気や匂いを楽しみ、一口一口味わいが変化するのをゆっくり楽しむ。
うまい!(笑)・・・(黙々と、だけどゆっくり堪能)・・・うまかった!(笑2)

お好み焼きってさ、関西風とか広島風とか、名古屋風とか、いくつかの基本スタイルがあって、全国各地でそれらを元にしたオリジナルがあるよね。
だから一言で「お好み焼き」って言っても、それぞれ持ってるイメージが違うよね。

僕の祖母は昔、実家の近くで駄菓子屋をやってて、町内のほとんどの子供は毎日そこへ出入りしてて、醤油やソースや酢も量り売りをしてたのと、夏以外は鉄板でお好みや焼きそば、夏は代わりにかき氷もやってたから、子供だけじゃなく大人もみんなよく集まってたんだよ。

でね、浜松には昔から独特のお好み焼きがあって、浜松餃子同様、僕らはそれを特別なものだと思わず、普通にお好み焼きって言ったら、それ、みたいな感じで親しんできたんだけど、最近の全国B級グルメブームに便乗して、最近また脚光を浴び始めているらしいんだよ。グルメ雑誌やタウン誌にも紹介されてるし、六本木でも[遠州焼き」の店ってのが人気だったりしてるんだって。
あ、その「遠州焼き」ってのが、いわゆる浜松お好みなんだよ。

僕の祖母はその元祖の一人なんだと僕は思っている。
確証はないけど、たぶんそうだ。

幼い頃のおぼろげな記憶をたどると、街の中心部に勤めているようなサラリーマンや、運送関係の人たちだとかが、ポンポン(浜松語でオートバイのこと)や自転車でわざわざ食いにきたり土産にしてったもん。

遠州焼きの特徴は、水解きのメリケン粉に卵を混ぜて、韓国のチヂミを柔らかくしたような食感と厚みの中に、刻んだ葱と紅ショウガと、そして、たくあんが入っているんだ。
焼き上がったら、丸い状態でウスターソースをハケで塗り、鰹節じゃなくて、鯖や鯵や煮干しの削節が混ざったヤツを振りかけ、長方形に畳み、更にソースを薄く塗って削節をかけて、ヘラで一口サイズに切れ目を入れたらできあがり。
好みでウスターソースの代わりに醤油を塗ってもOK。

僕はこのレシピと焼き方を完璧に再現できる。
小学生の時、このお好みを焼きたくて、週に2〜3回は店番を手伝っていたからだ。

当時は卵入りが100円、卵なしが50円だった。
更に、僕ら兄弟と親しい友だちだけのスペシャルお好みがあって、なんにも具を入れずに、素のまま焼いて、バターを落として砂糖をかけて巻いて食べる、そう、今にして思えば、まさにクレープの元祖みたいなのも祖母は作ってくれた。
これは1枚10円だった。
ついでに、ベビースターラーメンをお椀にいれて、お湯をそそいだのも10円だった。

話しがえらい逸れた上に長くなったからついでに書くけど、店で食うお好み焼きやもんじゃって、僕は正直高いと思ってる。なんであんなに高いんだろうね?
安くて美味いとこもあるけど、何々風っていうのに限ってえらい高いよね?

実はこのもんじゃも決して安くなかったんだけど、でも、いいや(笑)って言っちゃえる雰囲気と美味さがあったんだよね。

前回の蕎のとこでも書いたけど、ま、要は自分で納得して満足すればなんでもいいってことなんだけど、でも、僕にとってのお好み焼き(とそれに類するもの)の価値基準は、あの頃の祖母のお好み焼きなんだよ。
そこから見たら、もんじゃに1,000円以上ってのはやっぱし高い(笑)

いや、食ってる最中と食い終わった時は美味さに感動して大満足してたから全然いいんだけどね(笑)

雨じゃなかったらまた違った印象だったかもしれない月島は、雨のおかげで表を歩く人が少なめだったこともあり、いい意味で普通の商店街の雨の日曜の午後の風情を味わう事ができてよかったよ。
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さあ、ここからいよいよ六本木へと向かいます。
そう、今回の上京のきっかけになったロックバンドのライブを見る為に。

地下鉄から地上へ上がり、六本木の交差点へ出ると祭り囃子が聞こえてきた。
龍土神明宮っていう神社の大例祭だった。
あとで知ったんだけど、この神社、住所が東京都港区六本木7-7-7ってことで、ラッキー7神社っていうらしい。
そのスナップは次回に紹介することにして、今回はそろそろ締めます。

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↑ は目的のライブハウスの隣の東京ミッドタウンのエントランスのオブジェです。

ここにはすごく素敵なスペースと、おもしろいものをいろいろ見れたので、それらは次回、最終回で紹介します。もちろん、素晴らしく楽しいショーだったライブのことも含めて。

よかったら、品川で新幹線に乗るまでおつきあいください(笑)

by thin-p | 2008-09-27 00:02 | 写真散歩