股旅 2008 その4 完結編
完結編のタイトルは『Tokyo is Crazy、そして祭り囃子 と 青春の光』。
前回までのおはなし
股旅 2008 その1『横浜散歩+ローカル線の旅』編
股旅 2008 その2 『水上バスに乗って下町へ』編
股旅 2008 その3 『雨の月島、路地裏もんじゃ』編
月島から大江戸線で六本木へ。
今回の上京を決めたのは、2006年の暮れに偶然出会って、それ以来、僕のポッドキャストやイベントに出演してもらったり、いい関係を続けながら応援させてもらっている東京のロックバンド「Verriet」が遂にフルアルバムCDをリリースして、そのレコ発記念のワンマンライブをやるから、それをぜひ見たいと思ったからなんだよね。
そのライブは東京ミッドタウンのすぐそばのライブハウス、六本木morph tokyo の場所をとりあえず確認しといてから、メンバーからの連絡を待つ事にした。
この日、僕は新幹線で名古屋に帰らなきゃならなくて、そうすると、おそらくライブ終演までいられないかもしれず、メンバーとも話せないまま、握手もできない黙って去らなきゃいけないから、じゃ、リハが済んだ開演までの空き時間に楽屋訪問をすることにしていたんだよ。
あいにくの雨だったけど、その東京ミッドタウンを見物したり、駅から地上に出た時に聞こえた祭り囃子の方へ写真を撮りに行ったりしていれば時間なんかいくらでも潰せるかなと。
ってことで、まずは東京ミッドタウンの1F〜ガーデンテラスのあたりをぶらり。
こういう建物にはもう感動を与えてもらえないね。テナントにも魅力ないし。
一昔前だったら、わーやっぱ東京ってすげえなあ〜って感じたかもだけど、名古屋や他の都市には同じレベルのものはないんだけど、でも、逆に世界中のどこへ行ってもあのクラスのものはなんかかんかあるし、ネットやTVや写真ですぐに見れちゃうしね。
大きさに対する感覚も麻痺してるし。
アトリウムでは国際平和デー”Peace One Day”が PUMA プレゼンツの形で開催されていて、昼間にはフィギュアスケーターの荒川静香さんがトークショーに来たりしてたらしい。会場にはサッカーゴールと、その上にDJブースが設けられ、更にそのバックには大型ヴィジョンで平和でーのメッセージビデオが上映されていて、照明も音響も映像も実にしっかりしたものになっていて、男女の大勢のスタッフや代理店関係の人たちがたくさん取り巻いていた。なぜか一般客はシレ〜ッと眺めてるって変な空気。
お客さんに何かをアピールするでも、楽しませるでもなく、もー、なんじゃこりゃレベルのダメイベントなわけで。
ま、そこでやったっていう泊付けだけのイベントだから(決めつけてますが・爆)やる気のなさが表れちゃってます。仮にそうだとしても出しちゃダメだろ、みたいな。クリエイティブだけで、感性だけでイベント作るとああなっちゃうっていう典型。啓蒙も啓発も志も適当に、とりあえず平和だエコだ言っとけみたいな(わ、いつになく毒舌・笑)
なんかつまんなくなって、そこらのカフェで珈琲でも飲んで、、、と思ったその時(笑)
FUJIFILM SQUARE
写真とカメラの楽しさ、素晴らしさ、魅力を、そして可能性をシンプルに自由に楽しめる富士フィルムのギャラリー。
ちょうど、日本オランダ年2008-2009記念写真展
『あるオランダ人が見た昭和の日々』
~私たちが忘れかけていた昭和をオランダ人が克明に記録していた~っていう写真展をやってて、すごくよかったんだよ。これだけのために上京してもいいくらい。
2Fにはフィルムフォトサロンっていうのがあって、富士フィルム製品を利用した作品に限りグループ展や個展に使えるようになっている。
やっぱりと言うか、そこにいるのはカメラが趣味の中高年の男性ばかりだったけど、でも展示してある写真と共にとてもいい空間だった。
雑誌『カメラ日和』とフジのフィルムカメラ『NATURA』のタイアップコーナーがあったり。このカメラ、実は密かに欲しいと思ってます。
この場所がすっかり気に入っちゃって、ショップのカメラをいじって遊んでたら、Verrietのドラムスのダイゾーくんから電話。リハが終わったらしい。楽屋へ招いてくれた。
ライブハウスへ向かって歩き出したら、ロンドンバスが来て僕の前に停まった。
なんだ?オレはハリーポッターか?それとも屋根が開いてジミー・ペイジがギター弾くのか?ついでにベッカムがニヤけてボール蹴るのか?って呆気にとられていたら、更に呆気にとられることになり。。。
なんかの撮影らしいんだけど、ビキニの女の子が入れ替わり立ち代わりバスのステップでポージング&ビデオシューティング。
バスの中をよく見ると、かなりたくさんのクルーやヘアメイクやスタッフ、モデルが乗っている。
こういう光景に出くわすと、やっぱトーキョー、しかもロッポンギだねえ、みたいな(笑)
ちょっとだけ真面目に書くと、モデルの質や撮影の手際の良さは名古屋あたりのそれとは比べ物になりません。ここでもやっぱし東京だねえって感じ。
さっきのやる気のないイベントと違って無駄が無い(←しつこい・笑)
ライブハウスの楽屋へ招かれ、半年振りの Verriet の 4人が笑顔で迎えてくれた。
みんなこの日を迎えられた喜びに満ちてて、適度な緊張感も漂ってて、再会ももちろんだけど、ああ、やっぱりここまで来てよかったなあと、ここでもまたそう思えた。
ポッドキャスト用にライブ直前の意気込みなんかを録音したり、実は前もって全音源を受け取って気に入って聴いていたこの日発売の新作の感想なんかを伝えたりして、いろいろ準備もあるだろうからってことで、僕は一旦外へ出て、開演までの時間をつぶす事にした。
外は雨降りも手伝ってすでに薄暗く、六本木ヒルズの窓明かりが見えた。
そこからこんどは、夕方聞こえた祭り囃子の方へ行ってみた。
それは前回の予告のとこにも書いた龍土神明宮っていう神社の大例祭だった。
裏通りへ入って行くと、ちょうど祭の詰め所の前でお開きになったところだった。
世話役の人たちが談笑し、婦人会の人たちも一仕事片付いたところで、みんなで労をねぎらい合っていた。
華やかなギロッポンじゃなく、昔からそこにあった六本木に触れる事ができて、ちょっと得した気分だった。
浅草〜月島と来て、六本木でも下町だった今回の東京。
クレイジーなトーキョーと、普通の東京。やっぱ東京っておもしろいね。
さて、時間だ。
いよいよ今回の旅のクライマックスにしてフィナーレ、Verrietのライブが始まる。
会場にはすでにたくさんのファンが集まっていて、あとからあとから入場してくる。
男女比は半々か、5.5 : 4.5 で男がちょっと多いかな?くらいな感じ。
箱もステージもいい感じ。とりあえずビールを飲みながら物販コーナーで CDを記念に買って、写真撮ったりファンの人たちに話しを聞いたりしていたら開演時間になった。
あ、始まっちゃう前に書いとくけど、Verrietはロックバンドです。
そして、オーディエンスを楽しませること、自分たちの音や思いを全部伝える事に一生懸命な 4人です。僕は彼らの音楽がとても好きです。
エンターテインメントに徹して、有形無形のサービスをふんだんに盛り込み、だけど、それが自然で決して外連のない、ピュアな若者たちです。褒めちぎって絶賛しちゃいますが、本気でそう思います。来場者全員にお土産があったり、ライブ後半で使う応援グッズが入っていたり(笑)その使用方法を開演前にメンバーが出演するおもしろビデオで説明したり(笑2)
お、開演だ。
いやあ、楽しくてかっこよくていいライブだったよ。途中10分間の休憩を挟む全後半、18曲を演奏し、2時間を超えるライブ。
気がつけば客席フロアに入り切れず、外のバーコーナーにも階段にもたくさんの人たちが集まっていた。おめでとう、Verriet!(笑)僕も嬉しかったです。
実は、案の定だけど、僕は最後まで見れず、きっと感動的なフィナーレと共に大成功になるだろうと想像しつつ、後ろ髪を思いっきり掴まれつつ会場を後にしちゃった。
あとでメンバーのレポとかファンの人たちのレビューブログを読むと、ラスト〜アンコール、大ラスはかなり感動的だったそうだ。そりゃそうだろうさ。もし僕がそこにいたら泣いてたかもしれないもん、いやマジで(笑)
且つて僕はソッチ側にいた。
去年の夏も久々にソッチ側に立った。
昔も去年もオーディエンスの大半は若者たちだった。
自分が若い頃はわからなかったけど、去年、ようやくわかったことがあった。
それが今回、若いオーディエンスの中で若いバンドを見上げながら、僕はそのことについて更に確信した。
若く一途な思いの、なんと素晴らしいことか。
いい歳こいてるから言わせてもらうけど、若いってのはすごいことなんだよ諸君。
チャレンジする立場であれ、それを支えたり応援する立場であれ、強い思いはかならずつながって、うまくいってもいかなくても、きっと何かが残るんだ。
それは思い出かもしれないし傷かもしれない。自信とか信念とか指針になるものかもしれない。教訓とか覚悟かもしれない。具体的な成功かもしれない。
だから若い人たちがなんかしようと必死になってるのを見ると、おじさんは応援したくなっちゃうんです。で、張り合ってみようかなと思ったりしちゃうとこもあるんです(笑)ヤング・フォーエヴァーな気持ちと経験を武器に(笑2)
品川から乗った新幹線のシートで柿の種をかじってビールを飲みながら、2日間のことや、たった今まで楽しんでいたライブのこと、出会った人たちのことを考えていたら、静岡県通過中ずっと爆睡だった(笑)
時間を割いて僕をもてなしてくれた鶴丸さんと のおとさん
横浜で出会って、ちょっとずつ言葉を交わしたいろんな国の人たち
サイズぴったりの靴をストックヤードで探してくれたイオンの店員さん
水上バスの親切なクルーと乗り合わせた人たち
浅草の喫茶アロマのマスター夫婦と路地裏の立ち飲みやのママさん
月島のもん吉の店員さんたち
そして Verriet の 4人とサポートスタッフの皆さん、ファンの皆さん
心から感謝します。どうもありがとう。楽しかったし嬉しかったです。
明後日からいよいよ本業のイベントが本番で月曜までちょっと大変だもんだから、その前にこれだけは完結させたくて、仕事もしないで更新してます(爆)
長い話しに付き合ってくれた皆さんにも、どうもありがとう。さて、寝よ(笑)
by thin-p | 2008-10-01 01:14 | 写真散歩