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成人式の日の事は今でも鮮明に覚えている

当時僕は実家を離れ下宿して名古屋の大学に来ていたから成人式の前夜に浜松へ新幹線で帰った。
正月の帰省時に揃えておいたスーツとシャツとネクタイとベルトとポケットチーフとコートと革靴はそのまま実家に置いてあったから極めて身軽だった。

当時付き合っていた彼女は名古屋の女子大生で同い年だったから彼女も成人式は名古屋で列席するのでそれぞれ式が終わって友だちと食事したり飲んだり遊んだりして夜の7時か8時頃に僕が名古屋へ戻ってお互い晴れ着でフレンチを食べに行く約束をしていた。

今はもう無くなってしまった浜松市体育館で開催された成人式に出席し、小中の同級生との再会を懐かしんで、そのあとは高校時代の仲間たちと、彼女がいるやつは連れ立っていっしょにちょっと洒落たラウンジ(ここだけ記憶が曖昧なんだけど、確かマビーセブンの上の方の階にあった店)でアーバンな感じのアンティパストとワインやビールやウイスキーなんかを一応オーダーしながらも、結局はまだまだ小僧っ子の集まりなので結局わいわい大騒ぎして、みたいな感じで楽しく過ごし、一旦実家に帰ってお袋に礼を言って浜松駅でちょうどこの日に海外出張から帰ってくる親父と合流して高校三年生だった弟を交えて親子四人で親父の無事の帰国と僕の成人をなんとなく祝うみたいな感じで珈琲とケーキと少しの談笑。

そのまま新幹線で名古屋に戻り、栄の中日ビルで晴れ着の彼女と待ち合わせて国際ホテルで食事とワイン。

このいっこ前のエントリーに書いた通り、当時の僕はほとんど酒が飲めなかったので、昼間も夜もこの日は飲んでる気分で雰囲気だけ楽しんでいたので、実は昼も1杯、夜も1杯、頼むだけ頼んでほとんど飲んではいなかった。
いや、確か夜だけはワインを初めて美味いと思って白を1杯だけ飲み干したんだった。かな?(笑)

食事を楽しんで栄の噴水のところで写真を撮って、道ゆく人にシャッターを切ってもらって、楽しかった思い出を胸に彼女をタクシーで家へ送り届けて一人寒い安アパートへ帰って布団を敷いて爆睡し、翌日は寝坊と二日酔いで学校をさぼったんだった。


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昨日は娘の成人式だった。

早朝のヘアメイクと着付けは妻と娘の行きつけで、写真撮影は彼女が小学校時代からの親友のご両親が写真スタジオをやっているのでそこにお願いしてあった。
それらをすべて済ませて帰宅した頃は陽の光がまぶしいほどで、玄関先で記念撮影をして式の会場の小学校へいっしょに歩いて行って体育館へと入って行くのを見届け、親御さんもどうぞと係の人に勧められたが大人になる式に親が出ることはないというのが僕も妻も同意見だったのでいっしょに先に帰り、妻の母親と三人でいろんなことを話しながら昼飯を食った。

娘は式のあとみんなで卒業した中学へ行った。
そこでは式の来賓として出席してくれた中学時代の恩師といっしょに写真撮影や近況報告を楽しんだそうだ。

そのあとしばらくして妻の携帯に電話が入り、友だちと食事してから一旦帰宅して着替えて小学校時代のクラスメートたちとの同窓会兼二次会に出掛けるとのことだったので、帰って来るまで久々に自宅でのんびりさせてもらった。

しばらくすると娘が帰って来た。
彼氏に送ってもらったとのことで、外でいっしょに写真を撮って欲しいと言うので玄関先に出て行き、こんにちは、こんにちは、おめでとう、ありがとうございます、というやりとりをして(笑)2ショット写真を撮ってやった。

妻と娘と僕の三人の写真を、いったいいつ以来だろうと思い出せないくらいに久々に親子三人水入らずで撮った。
そう、娘の彼氏クンに、キミ、これで撮ってくれる?と Nikonを渡して頼んだのだった。

「お役目もらえちゃったぢゃん?」と茶化す娘に、超緊張した顔で「はい!」と答える彼氏クン(笑)

その前に僕が話しながら同じポーズでも何回もシャターを切っていたのを真似たのか、ほんの短い時間だったけど縦横合わせて6枚、僕のiPhoneに持ち替えて6枚 撮ってくれた。

「いい感じだと思います」と言いながらカメラを返してくれた。

撮ってくれた写真をプレビューすると、思いっきり緊張していたこともあるだろうから構図はもうちょっと上に、とか、惜しいなあという感じだったけど、それでもなんかいい写真だった。
3人とも屈託なく笑っていた。

陽の光が少しずつオレンジ色に変わって行く中、自宅玄関先での僕らの撮影会の最中に自宅前を行き交う近所の人たちは皆、おめでとうございます、と言ってくれて、僕らもそのたびに、ありがとうございます、を返す、とても幸せな時間だった。
そんな様子を猫のソイがずっと見ていた。

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住んでいる区が違う彼氏クンは地元での同窓会兼二次会があるから、失礼しますありがとうございましたと言ってクルマで去って行き、娘は着物を早く脱ぎたくて、でもその前に座敷で親戚にメールで送って見せるための写真を撮ることになっていたので、いましばらくの辛抱で引き続き撮影会。

去年の夏前から家族になった猫のおかげで、この撮影会は爆笑と大騒ぎの楽しいものになった。

義父と僕の親父が二人とも他界してしまっていたのだけは残念だったけど、それでも素直で誠実な彼氏クンと猫のソイのお陰で、娘の成人式は義母、妻、娘、僕にとって、この上なく幸せな一日になった。

夕方、着物から洋服に着替えてメイクと髪を変えた娘を二次会兼同窓会会場へ妻と送った。
彼女はそこで小学校時代のクラスメートと楽しんだあと三次会へ行くのか、そこから彼氏クンと合流するのか、いずれにしても二度と来ない一日を謳歌したことだろう。

僕と妻は義母に頼まれた寿司を買い、主役不在だけどおめでとうございますとかお互い言いながら三人で自宅で夕飯を食べた。

成人の日の夕飯を家族で、という家庭もあるだろうし、一晩中友だちや仲間たちと大騒ぎで家族との時間は一切ナシというのもあるだろう。

僕の両親は僕が成人の日の夜は主役不在で夕飯を食べた。
その頃浜松から名古屋へ戻ってきた彼氏とフレンチを食べに行った妻の両親も主役不在で夕飯を食べた。
なので僕らも主役不在で夕飯を食べた。
クルマを運転しなくてはいけなかったので酒は飲まなかった。
それでも美味い寿司を食って僕は仕事場へと戻った。

僕は昨日、朝から仕事場へ戻ったあともずっと、娘の七五三の時のことをずっと思い出していた。
特に三歳の写真前撮りの日とお宮参り当日のことが、まさに走馬灯のごとく胸の中と頭の上をぐるぐる回っていた。

by thin-p | 2014-01-15 02:37 | 雑記帳