まだまだがんばんなきゃぁな

モデラーの知人のツイートで知った とあるプラモデル屋の閉店。
今月中で店を畳むから一部を除きほぼ全品50%オフというので、ちょっと気になって出かけたついでに立ち寄ってみた。
c0030705_23582619.jpg


僕はこの店をその知人のツイートを見るまで知らなかったし、ただでさえクローゼットの中には開封やパーツ合わせすらしていないプラモデルが10数個あり、特に今ほしい物も無かったが、それでも「まちのプラモ屋」が店を畳むというのは寂しく、外出ついでに寄る事ができる場所だったから、とりあえず見るだけ見ておこう、それだけの理由だった。

店の入口には手書きで「営業中」と書かれていた。

白髪の小柄な店主と常連とおぼしき2人の客がいた。
客の一人はおそらく40代、もう一人は専門学校の友だちがどうしたこうした話していたので、おそらく20歳前後だろう。
世代の違う2人はこの店で知り合ったようで、お互いの思い出話で盛り上がっていて、店主がそれを静かに聴いていた。

狭い店内の天井まで積また様々なジャンルのプラモデルを一通りチェックして、せっかくだし、子どもの頃に父親といっしょに組み立てた戦闘機のタミヤ製 1:100シリーズを見つけたのでそれを1つ購入する事にした。

大袈裟ではなく、ほんとうにホコリまみれだったその箱を「埃を払いますね」と、入口のドアを開けて箱を表に持ち出し、丁寧に、これも大袈裟ではなく、その箱を慈しむようにきれいにしてくれた。

狭い店内は常連客が懐かし話しで盛り上がっていたから店主に声をかけそびれていたが、ここで話しかけてみた。

「お店、畳んじゃうんですって?」

「はい、あともう二、三年は続けたかったのですが...」

「そうですか...残念ですね」

「はい、40年やってきました」

「そうですか...おつかれさまでした」

「はい、後ろ髪を引かれる思いです。もう少し続けていたかった...」

店主がどのような事情で店を畳むのか、一見の僕はそこまで立ち入った話しまではしなかった。
なんとなく右手が少し不自由そうだったが、続けたいという気持ちと、ここで締めなくてはならない悔しさが伝わって来た。

店内に戻り、定価の半額を提示された。
250円。

ふと横の棚を見ると、マジンガーZ(バンダイ・1:144スケール)があった。

店主が過ごして来た40年間を労うにはささやか過ぎるが、気は心、これもください、と、その箱を店主に渡した。

「これはオフに出来ないのですが...」

「はい、構いません、ください」

なんとなくだけど、定価で買わせて欲しかった。

「では2つ合わせて 消費税入れて 810円になります」

2つの箱が入ったビニール袋を受け取り、今日で最後ですか?と聞いたら、5月4日までやって 5日と6日は休みますと言ったので、7日からも少し続けるのですか?と聞いてみたら、即座に打ち消して、いや、4日でおしまいです、と言った。

他に言葉が出て来ずに、僕はもういちど 40年間おつかれさまでした、と店主に言った。

続けたくても続けられない人に勝手に感情移入した僕は、まだまだもっともっとがんばんなきゃぁなと思うと共に、昨年後半に誓った通りにあと最低10年の間死なないためにも健康でいなきゃぁなと強く思った。

以前ここで書いた通り、この先、まちの小さなプラモデル屋に子どもも大人も集い、賑わい、繁盛するなんてことは絶対に無いと思うけど、あの独特な薄暗さとか塗料やボール紙の匂いの中に宝の山があって、プラモデルなんか絶対に作らないような店主がやっているにも関わらず、もしかしたら店の奥には何かとてつもないものが隠されているようなわくわくする感じがこの世から消えてなくなってしまわないことだけは願いたい。

なんなら10年後に僕がそんな怪しい店の店主になってもいい。
いや、あのような“味”のあるプラモ屋のおやじにはなれないな(笑)

c0030705_23584173.jpg

*ホビーメイト*

c0030705_23583266.jpg

パイルダー・オン!ができるらしいが、兜甲児は箱の絵だけ(笑)
当然だがちゃんと東映動画の版権許可を証明するシールが貼られている。
c0030705_23583796.jpg

小学生の時に歩いたりロケットパンチが飛ばせるマジンガーZ作ったけど、あれよりずっとカッコいいモデルは1983年製。ガンプラ的なソレかな。
[PR]

by thin-p | 2015-05-01 00:09 | Fav | Comments(0)