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ハートカクテル 〜2006年・夏〜

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1987年ってえと、え〜と、僕が初めて就職した年だ。





高校1年の時からの腐れ縁、僕を含めて9人の悪友グループ。
僕以外はみんな大学を卒業して寄り道せずに地元で就職して、地元で彼女を見つけた。

ちょっと寄り道してた僕が初めて就職して、ようやく 9人全員がサラリーマンになった年に、その店はオープンしたんだったっけ。あれ、もちょっと前からあったような気もするし、そこら辺はちょっと曖昧(笑)

アメリカの田舎にあるようなダイナー風というか、ファクトリー風のカフェ。
ケーキファクトリーがくっついてて、3on3のコート兼パーキングがあって、テラスにもベンチや丸テーブルがあって、使えなくなったビリヤードのプールがテーブルになってたりして、ダッヅやチェリーコーク、チェリーパイなんかもあって、オープンサンドウィッチもケーキもカレーもかき氷も、もちろんコーヒーも美味くて、地元に帰ったみんなは週末にはここに集まってて、僕も時々彼女を連れて実家に帰った時には必ず行ってた店。
入り口には大きなクスの木がどっしり根を張り、屋根の半分くらいを覆っていたから、サンルームは木陰のオープンカフェみたいで、寒い冬でも居心地はとてもよかった。

海の帰り、テニスの帰り、草野球や草サッカーの帰り、“彼女たち”には内緒の野郎どもの悪巧みの後、とにかく、全員じゃないまでも、行けばたいてい誰かいる店だった。

80年代を謳歌してた人にはわかると思うんだけど、ちょうどその頃、ちょっとしたブームになってた「ハートカクテル」が、そのまんま現実になったような店だった。

余談だけど、僕らが当時その店に連れて行ってた彼女たちは、今でも会おうと思えば全員に会える。
なぜなら、全員がそれぞれの妻になっているからだ。これって、何気にすごいことだと思うんだけど。

話しを戻そう。
先週末に妻子を連れて実家へ帰る途中の高速の上で、その店のことを急に思い出した。実家のコンピュータでウェブを探ってみたら、あった。
あの店まだあるらしいから行ってみようと妻を誘って、日曜日の夕方、娘と三人で行ってみた。

昔のままだった。

と、言うか、僕らがよく集っていた頃は、なんとなく借り物っぽくて作り物っぽかった店が、いい具合に年季が入って自然に汚れてきてて、もちろん、掃除も手入れも行き届いているからきれいなんだけど、本物っぽくなっていた。

僕はダッヅを飲もうかと思ったけど、絶品のかき氷をミルク金時で食べて、エスプレッソで仕上げた。どっちも最高に美味かった。
妻はホットのロイヤルミルクティーを、娘はストロベリー・シェイクを楽しんだ。

厨房からは夜用のカレーとデミグラスソースを仕込んでいる極上の香りがただよってきた。もうたまらない。両親との夕飯の約束を反故してあやうくカレーを注文しそうになって店を出た。

僕がキャッシャーで支払いを済ませながらウェイトレスと店の昨今の様子を話している最中に娘と妻は、今度はケーキだ、いや、カレーとオムライスだ、ベーグルサンドだと、やいのやいの言い合っていた。

 “あの頃の未来に 僕らは立っているのかなぁ” (夜空のムコウ/スガシカオ

「2006年・夏」のハートカクテルは、松岡直也のインストゥルメンタルではなく、スガシカオのこの歌がぴったりくる感じだと、僕はキーレスエントリーで車に乗り込み、後部シートで次回のメニュー組み立てを続けている妻子をルームミラー越しにちらっと見て、エンジンキーにゆっくり手を伸ばしたのさ(最後のとこだけ、佐野元春・笑)

金曜の夜から日曜の夜まで名古屋を離れて僕の実家へ帰ってたんだけど、丸2日間にやれることと行けるとこを目一杯詰め込んで来ました。
ドライブも海も星も美味いものも買い物も、水族館とか漁港とか灯台とかウミガメとか(?・笑)とにかく、あれもこれも計画と目的はほとんど達成してきました。

いやぁ、今回は実にいい“オフ”でした〜ってことで、その一部を最近始めた“リハビリ(なぞ・笑)”として、また「短編風(えせエッセイ風・爆)」に書いてみました。
他のエピソードは写真@Flickr とか、いろいろ小出しにしますので、それもまたどうぞ。

  浜松市・カフェフィガロ(店のサイトはないらしい・必要ないとも言う)
  (ビート詩人、アレン・ギンズバーグが通ってたヴィレッジのカフェと同じ名前)
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あの頃と同じように、クスの木の枝にぶらさがる人(笑)


ハートカクテルの原作者:わたせせいぞう公式サイト「APPLE FARM」

by thin-p | 2006-08-29 01:16 | スナップ