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GW最終日。('07-GWの備忘録に代えて)

GW最終日。(\'07-GWの備忘録に代えて)_c0030705_23373245.jpg


あ〜ぁ、明日目覚めたら Back to the 日常だなあと嘆いている人もいるだろうし、
あ〜ぁ、ようやく明日から日常に戻れる〜(ほっ)って人もいるだろうね。





とりあえず今夜のビールはうまいなあ。というとこから始まります。

4/28から今日までの 9日間をGWと呼ぶなら、7.2日間くらい仕事してて、今日の昼過ぎからを含む 1.8日間くらいがオフだった。いや、もちょっと、2.6日くらいがオフかな。でも延べでだから今年は浜松まつりはなし。

朝からの仕事が片付いてフリーになった今日の午後、家族はみんな出掛けちゃってたから一人でどうしようかなとあれこれ考えつつ、ちょっと眠いし疲れてたりもするし、雨だし、昼寝しちゃおうかなと思ったんだけど、それもなんだかもったいないし。
映画でも見に行こうか。
けど、こんな日にわざわざ人ごみの中に出掛けていって、その上 2時間とか椅子にじっと座ってるのも苦痛だしなあ。
昼メシはもうちょっとあとでいいし。

ってことで、なんにも思いつかないからとりあえずカメラ持って家からクルマで30分かからないとこにある森に行った。
森って言うか、ま、森なんだけど、小山をそのまんまに小道だけ整備して公園にしたって感じの場所。僕はそこが大好きだ。

GW最終日。(\'07-GWの備忘録に代えて)_c0030705_2320499.jpg小降りになった雨の中、スナップを撮りながらゆっくり歩いていてひとまわりすると小一時間。雨が木々や葉を揺らす音、地面を流れる水の音、池や水たまりに降り落ちる雨の音、傘にぶつかる雨粒の音、いろんな鳥やカエルの鳴き声、自分が歩く靴と地面の音、、、

こういうのは一人だから楽しめるんだと思うと同時に、こういうのはもう家族じゃ楽しめなくなっちゃったんだなあと思ってちょっと寂しくもあるんだけど、ま、それは仕方ない。

さて、さっきまで気になってた腰痛・肩凝・雨(と言うか気圧)が原因の軽い偏頭痛をいつの間にか忘れちゃった代わりに昼飯がまだなのを思い出して、いきつけの店へ。やっぱ美味いなあ、ここの五目中華は。(いきつけの店はカフェなんかじゃなく中華料理屋)(今日の店内は U2が延々かかってた)

3時半か、、、心身ともに楽になってハラも落ち着いたからもちょっと外にいたいなあと、けど、まだ雨は降り続いてる。どうしよう。
とりあえず、今夜飲むビールを買っていこうと、最近ウチの近くにオープンした成城石井の駐車場にクルマを入れたら、GWの特別サービスとやらで、駐車サービスが 2時間無料だった。

そうだ、ちょっとご無沙汰してたティーハウスのマスターに会いに行こう。

その店はそこから歩いて 5分もかからないとこにある。ハードカバー、文庫本、絵本、写真集、デザインサンプル、専門書、、などなどがたくさんあって、何時間でもいられて、こだわりの紅茶と手作りのサンドウィッチとケーキがすばらしく絶品で、とにかくティーハウスのマスターって言ったら10人のうち 9人くらいが思い描く風体と物腰の素晴らしいマスターのその店は我が家の大お気に入りで、雨の日の森には一緒に行くことがなくなった妻子ともここはたまに一緒に行くし、彼女たちだけならしょっちゅう通ってて、特に娘の誕生日のケーキはここ 5年間ずっとそのマスター特製だ。これはどこのどんな有名なパティシエが作ったってかなわないと僕は思ってる。

ドアを開けると(おそらく僕より15歳程上の)品の良いご婦人とカップルがいた。

「あ、いらっしゃい!」

マスターは外観はホント絵に描いた様なマスターなのに、いつも威勢のよい魚屋のみたく招き入れてくれる。

ご無沙汰ですねえ、GWはずっとお仕事ですよね。今日は?
昨日、奥さんと娘さんがいらっしゃいましたよ。

「ええ、今朝それを聞きまして、で、近くまで来たので寄らせてもらいました」

「ありがとうございます。どうぞごゆっくり」

GW最終日。(\'07-GWの備忘録に代えて)_c0030705_23363970.jpgダージリンのフルボディがどうしたこうした〜っていう説明書きの紅茶をオーダーして本を選んで雨に濡れた外の通りと壁の銅版画を見ていると、マスターが僕の紅茶を入れながら先客の品の良いご婦人と雑談をしていて、自然な流れで僕もその会話に加わった。

会話の内容は上品でもの静かで優しげなそのご婦人の雰囲気とユニークがオックスフォードのホワイトシャツと眼鏡を身につけて紅茶を入れている体(てい)のマスターの人柄が反映されたものだった。こういう会話は具体的に書くと陳腐になるのであえて書かない。

しばらくして、カップルが帰るのと入れ替わりに、(おそらく僕より15歳程下の)女性がマスターに軽口を叩きながら入って来てマスターは再び威勢のよい魚屋になってその女性に軽口を返したから、きっと彼女は常連なのだろう。
僕の斜向いに座った。

どうやら、彼女と品の良いご婦人も顔見知りらしい。

そのまま心地よい時間が過ぎて行き、ご婦人を旦那さんが迎えに来た。
会計を済ませ、店を出ようとして「あ、そうそう」と芥子色のトートバッグから何かの包みを取り出して、これを差し上げようと思ってたのよ、と言った。
きな粉飴だった。

まずマスターの掌に数個出して、僕のソーサーの上に3個、僕の斜向いの席の女性のソーサーにも3個出してくれた。
おすそわけ。そう言って可愛く笑った。

きな粉飴はポットから注いだ 3杯目の少し濃くなった紅茶に不思議とマッチした。
みんなでおいしいおいしいと感嘆の声を上げると、ご婦人は嬉しそうにもっと可愛らしくにこりと笑って、それじゃあね、おじゃましました、と店を出て行った。

きな粉飴という公約数ができた僕と僕の斜向いの彼女はその美味さをきっかけに瑞浪のパン屋と恵那の蕎麦屋の美味さについてもマスターを介しつついっしょに楽しんだ。

その後、静かな時間が少しあって、二人連れの女性客が入って来た。
何かの仕事の帰りらしい。この店をとても気に入っている片方の女性が同僚の友達を初めて連れて来たって感じだった。

ね?ね?いいでしょ?すてきでしょ?わーほんとね!みたいにひとしきり騒いでマスターにその友人を紹介して、オーダーも普段はコーヒーしか飲まないだの紅茶は砂糖入れなきゃ飲めないだの、茶葉の種類はわからないだの、けどケーキがおいしいのよ、ここ、とか、サンドウィッチを食べなきゃとかひとしきりわーわーやって、店の雰囲気が一変した。

しかし、それも二人連れのオーダーを受け入れたマスターがカウンターの中に入るまでのことだった。

二人連れはオーダーが済むと急に小声で話し始めた。
それはなぜだかわからないが、たぶん僕らに気を使ったのではなく自分たちのテンションというか話しの流れやノリなのだろう。

代わりに、さっきまでのこの店の雰囲気と話題と声量での僕と僕の斜向いの女性とマスターの会話が自然に始まった。会話と言っても、僕らのはずっと続くものではなく、何気ない言葉が時々行き交うだけで、マスターは仕事しながらだし、僕らはそれぞれの自由な時間を気ままに過ごしているから、俳句のような禅問答のようなものだったり無意味なものだったりしておもしろかった。

そのあと、奥のテーブルに乗っていたブラザーのタイプライターに興味を持った僕はマスターに写真を撮っていいか尋ねた。

「あだちさん、これ、キーボード叩いてみませんか?しびれる音しますよ」

そう言ってマスターは電源を入れてくれた。

「こちこちこち、こつこつこつ、つつつ、じー、っつっつっつ、こち、こちこいこつ、、」

おお、おもしれー!

GW最終日。(\'07-GWの備忘録に代えて)_c0030705_23213627.jpgそのあとしばらくいろんな“道具”や“機械”、いわゆる“mono”についてあれこれ男同士の蘊蓄タイムになって、店の中はそれぞれの時間が過ぎていって、けっきょく僕はそこに 2時間ほどいた。

店を出たら雨が上がっていた。
そこからクルマを停めた成城石井の駐車場まで戻り、ここに来た本来の目的の今夜飲むためのビールを 3種類 4本買って帰った。

ずっと仕事、合宿()そして 森 と 雨 と 五目中華 と 紅茶 と きな粉飴 と タイプライター と 3種類のビール。

2007年のGWを備忘録にメモるとしたら、僕の場合、こんなキーワードになります。

と、風呂あがりに4本目のビールを飲みながらアップしたから明日読み返したら手直しするかも。いや、いいや、このまんまで。

さあ、明日から日常。

by thin-p | 2007-05-06 23:54 | 雑記帳